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ロリィタ・ファッションについて

某所で行ったクイズ企画の前置きをリライトしたもの。ロリィタ・ファッションの歴史や先入観について主に述べている。

 

①ゴシック・ロリィタ=ロリィタ・ファッションではない         

「ゴシック・ロリィタ」とはあくまで括りの一つであり、ロリィタ・ファッションそのものを指す言葉ではない。そもそも「ゴシック」という言葉自体が多くのサブカルテイストを内包するものである以上そのどれもが曖昧な基準ではあるのだが、ロリィタ・ファッションの種類には実に様々なものが存在する。愛好家たちは時代が変遷するに連れかような幅広いデザインのロリィタ・ファッションをある程度分別し、一定の枠内に設けているのである。インターネットにおいて多くのジャンルが口伝され広まった結果曖昧になったという点では、長らく現代文学を悩まる「一般小説とライトノベルの違いは何か?」という問題に似ているのかもしれない。だが基本的にはゴスロリ甘ロリ・クラロリの3種類を覚えておけば、知識としてそう困ることもないだろう。

 

ゴスロリ...言わずと知れたロリィタ・ファッションの王道。だがそれがどのようなものであるか、というのは時代によって変遷している。それらの点について詳しくは後述するが、基本的には黒を基調としたものであると言って相違ない。

甘ロリ...ピンク系の色を基調とした甘美な雰囲気のロリィタ・ファッション。なんとなく"田村ゆかり"みたいなものだと思ってもらえばいいのだが、厳密に言えばお姫様になりきろうとして着るものは「姫ロリ」と呼ばれることが多い。

クラロリ...クラシカル・ロリィタ。他のロリィタファッションとは違いベージュなど落ち着いた色を多く使い、またパニエをあまり多く使わない。そうした雰囲気から普段着としてもある程度役割を持てると思う。僕が最も好んでいるのはこれ。

                

ロリィタ・ファッションとヴィジュアル系バンドの深い結びつき          

こちらも大半がゴスロリの話になるが、1990年代に流行を見せたV系バンドとロリィタ・ファッションは切っても切れない関係にある。バンギャル...という言葉ももう死語に近いかもしれないが、そうしたV系の追っかけの中でゴシック・ロリィタは生まれ、様々な形に派生したとされている。そのきっかけを作ったのは説明不要の伝説的バンド・X JAPANであり、彼らの熱心なファンである。ライブがある際にファンはX JAPANのメンバーと同じ派手な格好で会場へ赴くという、仲間内で衣装を着ていく習慣が存在した。これがV系ブームにより一大ムーヴメントとなり、現状のゴスロリ、ひいてはロリィタ・ファッションの発展へと繋がったとされる。またこの場合多くが黒ずくめの衣装であり、元来「ゴスロリ」とはそうした衣装をした人々を指す言葉であった。

 

③"コスプレ"との差別化

ロリィタ・ファッションと言えば最早メイド衣装と並んでコスプレの王道と考えている人も多いように思う。だが愛好家の間ではコスプレと同一視するのはご法度とされている。これに関しては着る側の"精神面"における大変面倒な問題が存在し、なかなかややこしい事情を呈しているのだが、分かりやすく違いを言えば「コスプレはなりきり」であるのに対し、「ロリィタ・ファッションはあくまで自己を立たせるためのお洒落」という認識であると考えてよいだろう。またかつて鳩山一郎の邸宅・鳩山会館が「バえる」スポットとして紹介された際にとあるコスプレイヤーの迷惑行為によって立ち入り禁止になったという事例があり、このことに関してコスプレとロリィタ・ファッションを同一化した報道がされたことから、より差別化の動きが加速していったともされている。だがオタクカルチャーが表に出だした現代ではなおのことそういった認識が困難と化しており、特に外国人にはコスプレとの違いは愚か、①で解説したような「ゴシック・ロリィタ=ロリィタ・ファッション」という認識で定着している事例が多く見られる。